診療日誌

6月19日(火)

今回の地震に際しまして、被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます。

肌は内臓の鏡とはよく言ったもので、言葉としては知っていても実際にその変化を見る機会はなかなかありません。先日、漢方治療中に劇的に肌の状態が良くなった方がおられましたので簡単に説明しましょう。

患者さまは女性の方で、自己免疫系疾患(重症筋無力症)でのステロイド減量目的、自律神経の乱れ等でおかかりの患者さまです。当初の治療の方向性としては、まず「気」を回して気分を良くしてあげることを主目的に、柴胡(さいこ)剤というステロイドを減量させたい時によく用いる処方をメインに組み立てていました。

ところがある再診日に腹診(ふくしん:お腹の診察)で胃の部分に水が貯まっている音がポチャポチャとしました。「これ、お腹動いてないよ、食欲ないでしょ〜??」と尋ねるとそのとおりでした。

そこで選んだのが気分を良くしながら胃の動きを良くする、香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)です。よくある六君子湯とは違います。次の2週間後の再診では「お腹は動いて食欲は出たんだけど胃が重い・・・」とのことで、処方を香砂養胃湯(こうしゃよういとう)に変えました。すると、どうやらこれが大正解でした。

次の診察時には、「胃腸の具合がすごく良くなり、眼瞼下垂(まぶたが下がる症状)の度合いがすごく良いです!!目の下のクマも気にならなくなりました!!!」
とのこと。

私も何となく顔の感じがいつもと違うことに気付いていたのですが、今日はクマが目立たずに目が大きいなと思っていたのですが、瞼が上がってるとまでは思いもしませんでした。

この先の方針(元の処方に戻すか、それともこのまま胃の薬で行くか)について、いろいろと患者さまと話し合い、そもそもの調子が良くなければステロイドも減量できないだろうとの結論に至り、このまま胃の処方で暫く様子をみることにしました。

ステロイドの減量は置いておいても、胃腸が弱いと食べた物を消化しきれません。不消化物で便で出きらないものは体が解毒するしかありません。体が弱いと解毒も充分にはできずに、不消化物が肌より排出されます。今回のことで、胃腸の状態は最優先で整えてあげないとダメだと再認識しました。

この取って付けた写真は診療所の近くにオープンしたばかりの和風イタリアンのお店です。お試しで行ってみましたが、新規オープンの不慣れ感はあったのですが、なかなか美味しく気に入りました。写真のパスタはカルボナーラなのですが鰹出汁が効いていて、どこか懐かしい風味が鼻から抜ける感じ、それがたまらなく良かったです。

Takao Hosono, Tokyo

東京診療所 細野孝郎 院長
筆者 細野孝郎 院長
医療法人 聖光園 細野診療所 東京診療所 責任者

昭和63年北里大学医学部卒 日本東洋医学会認定医・日本臨床抗老化医学会名誉認定医

川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より当院でも診療を開始。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、ランニング、フルマラソン(東京マラソン4回、2013年シカゴ)、自転車など。

おすすめコンテンツ