夏バテ対策の漢方

夏バテになる前に

漢方にも季節物が存在し、主に夏に飲むものがあります。いわゆる夏バテ対策の漢方です。有名な物で清暑益気湯(せいしょえっきとう)と言う処方があります。元来これは内外清暑益気湯(ないがいせいしょえっきとう)と言って、1200年中頃に創作された処方です。全15種類の生薬から構成されており、熱でやられた体を回復させてくれます。1600年頃になると、内外清暑益気湯より6味引いて、全9種類の生薬より構成された近製清暑益気湯(きんせいせいしょえっきとう)と言う処方が考案されました。漢方では構成生薬の数が少ない方が効きがシャープ(速効)だと言われています。ですから近製清暑益気湯は効きが早いのが特徴です。内外清暑益気湯はのんびりと効果を表しますので、お年寄りの夏の体質改 善に向いていると思われます。この両者の中間的な性格の処方が家方清暑益気湯(かほうせいしょえっきとう)と言い、当院オリジナルの処方になります。近製 清暑益気湯に水はけを良くする生薬を加えてあります。
それぞれを簡単にまとめます。

内外清暑益気湯

お年寄りの方が体調良く夏を過ごすために、初夏の頃から続けて服用して下さい。特に持病がないお年寄りの方が健康維持の目的でお飲みになるのも良いかと思います。

近製清暑益気湯

効果が出るのが一番早いのがこれです。エネルギー補給をし、そのエネルギーを引き上げてくれます。(当院では錠剤もあります)

家方清暑益気湯

水分代謝を改善する方味を含みますので、水分過剰になった方の夏バテに合います。足がだるい、少しむくみがあるようなご時に服用してみて下さい。

それぞれに特徴がありますが、若い方(いわゆるご老人以外)が通常にお飲みになるのでしたら、近製清暑益気湯か家方清暑益気湯になります。「少し水分過多だな」「足がだるいな」と思う方は家方清暑益気湯をお試し下さい。それ以外の方は近製清暑益気湯をまずはお試しになって下さい。
また、昼は冷たいお茶ガンガン、夜はビールガンガン飲んで夏バテ・・・・タイプの方には五苓散(体内の水分代謝を改善します)と平胃散(胃の中に溜まった水を去り、胃の消化力を高める)の合方である胃苓湯(いれいとう)をお勧めします。
もっと速効性を!とか、明日ゴルフなのでエネルギー補給を!と言う方はビタミンB1注射(俗に言うニンニク注射)も近製清暑益気湯の錠剤と併せてお勧めします。紫外線対策に、職員にも好評のビタミンC入りビタミン注射もお勧めです。

東京診療所 細野孝郎 院長
筆者 細野孝郎 (Takao Hosono) 院長 (東京診療所)
昭和63年北里大学医学部卒 日本東洋医学会認定医・日本臨床抗老化医学会名誉認定医
川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より当院でも診療を開始。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、ランニング、フルマラソン(東京マラソン4回、2013年シカゴ)、自転車など。

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