女性の体質改善

漢方治療を受けられる方は女性が多い

漢方を求める女性は男性よりもはるかに多いのではないでしょうか。おみえになる患者様の大半が女性の方ですので間違いはないでしょう。おそらく女性特有の「月経」によるところが大きいでしょう。
月に一度、月経痛や精神的な不調、または月経前の肌荒れのような症状に直面されたり、行動も制限される事もあるわけですから、「何とかしたい!」と思われるのは当然でしょう。
この様な症状で悩んでおられる方は当然として、そうでない方も、女性における漢方治療の基本は「活血」と「養血」だと考えています。
いずれも「血」という文字がついていますので、「月経などを整えるのかな・・・」と何となく想像できるかと思います。この様な治療が中心になるのも、月経のある年代の女性は「血の通りが悪い」「血の質が悪い」と言う二つの大きな原因が体調を崩すきっかけになるからです。

「活血」と「養血」は自動車と道路の関係

これらのことを患者さんに説明する時には、自動車と道路の関係に例えてお話をしています。自動車=血球、道路=血の流れ、と考えて下さい。
より早く、安全快適に目的地に到着するには、よく整備された乗り心地の良いクルマが必要です。しかし、いくら整備されたクルマでも道が舗装されていなかったり、狭かったり、また渋滞を起こしていれば目的地にはたどり着きません。逆に快適な高速道路でも、あちこち壊れている様なクルマであれば目的地に着くのも大変です。
つまり、血液の状態が良くても、流れが悪ければまずは通してあげる必要があります。逆に血液の流れが悪いのならば、いくら質の良い血液でもなかなか栄養を運んでやることは出来ませんので、質の良い血液にする必要があります。ですから、女性の体質改善や基本治療にはこの両者の改善が必要になります。
「活血」は血を通すことです。つまり道路整備です。快適な流れを作ります。
「養血」は血の質を良くすることです。クルマをきちんと整備します。
この両者を改善することで、「血」は改善されていきます。しかし、どちらから先に改善するかというのは難しい問題です。以前は、基本的に「活血」をメインに始めて、その後に「養血」の処方を加える、または「養血」の処方に変更していくのがベターだと考えていました。しかし患者様によっては「養血」から始めて、そこに少しずつ「活血」させる生薬を加えていかなければ良くならない場合もありました。さらには両者の性格を半分ずつ兼ね備えた様な処方もあります。
どの様な処方から開始するかを一般論としてまとめてしまうのはいささか無理があります。私は、診察所見や患者様のお話などから、どちらから開始する方がいいのか、または同時におこなう方がいいのかなどを考えるのですが、その考えを患者様に説明をして、一緒に治療方法を選択することにしています。
ひとつの方針(活血→養血など)を決めて、その流れに沿って系統立てて処方を組み立てていけば、時間はかかるかも知れませんが体というものは良い方向に変わっていくはずです。

東京診療所 細野孝郎 院長
筆者 細野孝郎 (Takao Hosono) 院長 (東京診療所)
昭和63年北里大学医学部卒 日本東洋医学会認定医・日本臨床抗老化医学会名誉認定医
川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より当院でも診療を開始。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、ランニング、フルマラソン(東京マラソン4回、2013年シカゴ)、自転車など。

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