周期療法

周期療法とは?

女性の性周期は月経期、低温期、排卵期、高温期の4期に分かれます。それぞれの時期では体調が微妙に異なりますので、それに対する処方も異なるという考え方で、漢方薬を処方するというものです。
月経期には主に月経随伴症状の緩和、子宮内の血液のスムーズな排出を目的に処方を組み立てます。
低温期は、月経で子宮内膜が剥がれ落ちた後ですので、それが綺麗に状態良く再生される様にしなければなりません。状態の悪い子宮内膜では受精卵は着床しにくいはずです。次の排卵期のために、卵胞を成熟させるのもこの時期の処方の大切な役割となります。
排卵期での目的は、当然のことですが、排卵をスムーズにさせることです。
そして高温期では受精卵を着床させ妊娠を継続出来る様にすることが大きな目標となります。
それぞれの時期にそれぞれの目的があるわけですから、それぞれの目的に合わせて処方を考えていけば、妊娠しやすくなるのはもちろんのこと、体調面においても良いのではないかと考えました。

聖光園細野東京診療所の周期療法

そこで当院での周期療法の組み立てに着手しました。ある程度の処方の大枠を作り、細かい部分は診察所見(舌診・脈診・腹診など)で決定して行くことにしました。洋服に例えると、ある程度の服をいくつか用意しておき、実際にお客様がお見えになると採寸をして着丈、身幅、袖丈などをその人にジャストフィットする様に加工するのと同じことです。
聖光園細野東京診療所としての大枠作りに調べに調べ、議論を戦わせ2ヶ月を要しました。
しかし実際に患者さんを診察して、その方に合うように処方を調整しようとすると、アレに代えてコレを使い、何を足して、どれを引いて・・・・。結局、最初から組み直すことになってしまいました。
先ほどの洋服の例えで言えば、加工では対応出来そうにないので、採寸して新たに型を取って一枚の生地から作ることになりました。さらに4期に分けて投与すると言うことは、同時に4人分の処方を調剤するのと同じくらいの時間を要し、さすがに調剤室もてんてこ舞いです。
当初はいろいろと足りない面もあったのですが、最近はようやくと患者様に自信を持って提供出来る状態となりました。

良いところと悪いところ

さて、その周期療法ですが、未だ妊娠には至らない患者さんから「周期療法を始めてから体調が良くなった!」と言うお言葉をいくつか頂きました。よくよく考えると、周期に合わせてその時点の体調を整える様な処方構成ですので飲んでいて体調が良くならないと困るのです。
そこで不妊の周期療法より学んだことは、

  1. 月経周期に合わせて処方を変える方が、周期を考えない治療よりも、月経に付随する症状の改善が認められやすい。
  2. 気剤を大胆に使うことで、気の状態を改善し、結果的に血の流れも改善している。
  3. 「補腎」をすごく重要視している。
  4. 胃を大切にすることで、脾を補い、気の補充を計る。
  5. 固定観念にとらわれず自由な発想で処方を組み立てている。
  6. これらの考えはそのまま不妊治療の枠を超えて、漢方治療(老若男女において)に応用出来るはずである。

これらはそのまま周期療法の長所でもあるのですが、もちろん欠点もあります。

  1. 薬の種類が多いため診療所が混んでいる時間は調剤終了まで時間がかかる。
  2. 性周期に合わせて飲むため、飲み方が煩雑である。
  3. 余分に買った場合、妊娠したら余るので勿体ない。

せっかくよい療法なので、欠点についての対策を練りました。
1に関して、調剤時間を短縮することは出来ません。お薬をお渡し出来るのは診察終了後、30分程度みて下さい。もしお急ぎの場合は当面3日分程度お渡しして、即日宅配便(送料無料)にてお送りします。翌日には配達可能です。
2は、飲み方を紙に書いてお渡ししているのですが、なかなか難しい様です。「そろそろ排卵になるかと思って排卵期の薬を飲んでしまったらどうやらその時期ではなかった」など。しかし、排卵期に間違って高温期の薬を飲んでしまっても、体に悪影響はございませんのでご心配されなくとも大丈夫です。迷ったり困ったことがあればお電話下さい。
3 これは簡単に解決しました。めでたく妊娠されましたら、流産を防ぎ良好な状態で妊娠が継続するよう様な処方に交換致します。
ポイント → 悩やむより 試してみよう 周期療法(かなり字余り)

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東京診療所 細野孝郎 院長
筆者 細野孝郎 (Takao Hosono) 院長 (東京診療所)
昭和63年北里大学医学部卒 日本東洋医学会認定医・日本臨床抗老化医学会名誉認定医
川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より当院でも診療を開始。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、ランニング、フルマラソン(東京マラソン4回、2013年シカゴ)、自転車など。

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