診療日誌

7月5日(土)

アルコールの分解には大量の水が必要だと言われています。水をアルコールと一緒に飲むと体内のアルコール濃度を下げてくれます。さらに尿と一緒にアルコールを体外に排泄する効果も期待できます。これらのことより、アルコールを摂取する時には水分を多めに取ると体は楽になるでしょう。

実際にチェイサーに水を摂ることは効果的な二日酔い予防法で、自然とやっている方も多いのではないでしょうか。私もお酒を飲むときには、少なくとも1L程度の炭酸水やウーロン茶を同時に摂る様に心がけています。翌日の体の楽さは全く違います。

しかし、漢方診療をしている立場からするとこれでは物足りないのも事実です。

五苓散(ゴレイサン)は水分代謝を調整する代表的な漢方処方です。基本的に浮腫がある人などに用いるのですが、はっきりとした浮腫がなくともこの梅雨の時期などは水分が溜まって体が重い・・・という時にも効果のある処方です。五苓散を飲むと過剰な水分を効果良く排出するので、アルコールとミネラルウォーター、そして五苓散の組み合わせで飲酒後の体のだるさや二日酔いはかなり予防できると思います。

そして、アルコールは肝臓で代謝されるのですが、この肝臓の解毒機能を高めるのが黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や茵蔯山梔子(インチンサンシ シ)などの処方になります。

そこでこれらを合わせて、かれこれ5年程前にオリジナルで「清肝解毒湯」(セイカンゲドクトウ)と言う処方を考案しました。

肝臓の解毒機能を高める黄連解毒湯、そこに水分代謝を良くする五苓散を加えて、さらに茵蔯山梔子を追加してあります。この漢方と水分1L程度(個人差ありますが・・・)で、翌日の体の楽さと気分の良さを是非とも実感してみて下さい。

と、こう書いたのも習慣的にこれを飲んでると、翌日の体の楽さが特別な物ではなくなり、普通の状態に感じられるわけです。すると飲みに行っても薬を飲むのが面倒になる、持って行くのを忘れる・・・となります。

つい先日、大阪の中田敬吾先生が学会で東京にお見えになりました。東京の職員も揃ってお寿司屋さんで宴会になったのですが、私はこの時にこの処方を飲むのを忘れて、翌日の気分の悪いこと、体の重いこと・・・・いやぁ、参りました。昨日にはまた飲む機会があったのですが、今回は忘れずにこの処方を持参して飲む前・後に服用したら朝から体も気分もとてもスッキリとしています。

漢方は長く飲まないと効果がないのでは?と思っている方も多いでしょうが、この処方の様に今飲んで、明日には効果を体感できる処方も沢山あります。 また体に合わせて配合比を変えますので遠慮なくおっしゃって下さい。ともあれ、アルコールを飲むならば「多めの水分と清肝解毒湯」をお忘れなく。

Takao Hosono, Tokyo

東京診療所 細野孝郎 院長
筆者 細野孝郎 院長
医療法人 聖光園 細野診療所 東京診療所 責任者

昭和63年北里大学医学部卒 日本東洋医学会認定医・日本臨床抗老化医学会名誉認定医

川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より当院でも診療を開始。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、ランニング、フルマラソン(東京マラソン4回、2013年シカゴ)、自転車など。

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